戻る



平成30年度  第2回  地域講座

  平成30年9月7日(金)

  熊野古道 ツヅラト峠

  ツヅラト峠は、かつて、「伊勢国」と「
紀伊」の国境だった峠です。江戸時代
以降は、荷坂峠が正式な紀州の玄関
口となりましたが、このツヅラト峠は昭
和初期まで生活道として利用されてい
ました。「ツヅラト」とは「九十九折り」の
こと。その名の通り、大内山村から峠
を越えた後の下りはカーブが連続して
います。
 頂上から少し上がった展望台からは、
紀伊長島の町、熊野灘の見事な景色
が広がっています。真下には志子地区
を見ることができました。
 伊勢路道標
 世界遺産登録地内には、木製の伊勢
路道標が約100m間隔で設置されてお
り、歩行の目印になっています。

 野面乱層積
 中世に開かれたツヅラト峠には、石垣
や石畳が多く残されています。野面乱層
積と呼ばれる自然石をうまく積み上げた
石垣は、風雪に耐えて、今も残っていま
した。
 熊野街道は中勢に開かれた当時、荷
坂峠コースを取らず、大内山川上流の
栃古集落より標高357mのツヅラト峠を
越えて志子集落に出るコースを取ってい
たと云われます。
 約300mにわたって自然石を組み合
わせた中世のままとみられる石道(石
畳)が残されている。