記者の目
2004年末までは久居の閑静な住宅街の一角でひっそりと営業していたので、私の「隠れ家」だったのです。ところが突然オーナー(=ママさん)の都合で国道沿いに"進出"してしまいました。1月10日に移転後の営業を再開したばかりです。
商売っ気のまったくないママさんは、「美味しかった」と言ってもらうのが楽しみでお店をやっているみたい。聞くところによると、ご主人が食べ物の好き嫌いが多くてせっかくの腕を振るう楽しみがないのだとか。家庭的な料理を手ごろな価格で提供して客とのさりげない会話を楽んでいる様子です。
年金に一家言を持ったスタッフのNさんは、ママさんの片腕(というよりも「口」?)として、"おしゃべり"大好きなおばさん。品位を保ちながら軽妙な"おしゃべり"が楽しめます。
おすすめは玄米ごはんの定食セット。他所ではなかなか口にできない玄米がさりげなく出て来るところがお気に入りです。旬の野菜の煮付けやママさん特製のひじきのふりかけが玄米ご飯にとてもマッチします。素朴な料理のわりにボリュームもたっぷりだし、肉類も付いたりします。
なにしろヘンな店で、客がやたらといろんなモノ(土産、ウチで採れた野菜、釣果、山菜、お気に入りの酒などなど)を持ち込むのです。そして、幸運にもその場に居合わせると、ご相伴にあずかれてしまうものだから、その内うまいものが手に入ると自分も持って行きたくなってしまいます。そうやって客同志が知り合いになって、仲間になって、下手をすると、どこに住んでるかも知らないまま友達になってしまいます。とにかく、ヘンな店なんです。
サービスとして確立しているワケではないようですが、携帯アドレスを申告しておくと、旬の野菜や珍しい素材が入ったときや、ケーキの出来栄えがとりわけ良かったとき、うまい酒がそろったときに、こちらの好みに合わせて「おいでよ!」と誘惑してくれます。コツは、日頃の注文や会話で自分の好みをうまく伝えておくことに尽きます。
お店の人には失礼だけど、あんまり繁盛せずに、店が広くなった分ほどほどに売上が伸びる程度なのが一番いいのだけどなぁ。 |