硬派

 硬さもまた紀州備長炭独特のものです。

 

 一般的に叩けば金属音がする炭がよい炭だとの評価が通っていますが、強く叩いて折れないほど硬い炭は燃えません。外国産はこの方向性で選別をしているようです。また、最近の炭焼きさんも自分の炭を自家消費しなくなってきたので一時硬い炭を焼く方向になっていましたが、それでは外国産と同じなので最近は変わりつつあります。

 

 硬さよりも粘りのある炭。この感覚は毎日毎日炭を触り続けていないとぴんと来ないですが。長い炭をたたいて短くするときの折れ方である程度感覚がわかると思います。

 

 以前のJAS規格では備長炭の硬度が規定されていましたが、私は硬さで品質は判断できないと思います。

 

 軽く叩いて澄んだ音がし、強く叩いて折ったときの断面が貝殻状であれば粘りのあるほどよい硬さの炭であるといえます。

 

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