高島トレイルを歩く(その1)
水坂峠〜武奈ケ嶽〜三重嶽〜大御影山〜近江坂

山行日:2013年11月2日 天候:晴れ
メンバー:みやけさん、おおとさん、いでさん、たかはし
コースタイム:水坂峠(280m)7:32−武奈ケ嶽(865m)9:17/32−水谷分れ10:22/32−三重嶽(974m)11:11/24−大御影山(950m)13:23/14:00−粟柄河内林道14:35−ビラデスト今津15:45=(車)=水坂峠16:00

 秋も深まってブナの彩りを、と高島トレイルに。だいぶん前に県内あちこちの山々をMTBで担いでは乗って、また担いでいた時に、高島トレイルの一部を登って以来です。
 今回たどった高島トレイルの水坂峠〜近江坂のコースはほとんど初めてのコースでしたが、すごく良かったです。
 行程は約22kmで、所要時間(休憩含んで)8時間15分。コース最初のピーク武奈ケ嶽まで登るとあとは、200m程度のアップダウンが2度あるだけで、ブナ林に包まれたいいコースです。

 2台の車で高島に向かい、1台をビラデスト今津にデポして水坂峠から出発です。
武奈への登りは近年トレイルとして整備したと思われるルートで、山の斜面を直登してふくらはぎに負担のかかる所もありましたが、総じて歩きやすく、角川ルートと合流してからは踏み込まれた登山道になりました。ルートの周辺にはイワカガミの緑の葉がたくさん群生している場所も多く、春はきっと素晴らしいでしょう。
 また、途中、2ヶ所でナメコを発見!でも、まだ小さくて収穫はせず。またこれからたくさん出てきそうやなぁ。とついつい周囲に目が行きがちで、足元の注意がおろそかになってしまいます。
 空を見て!あれはトンビと違うでぇ。との声に見上げると、腹部が白っぽい猛禽類が。すぐに見えなくなりましたが、また頂上で出会うだろうと期待も膨らみます。途中の休憩でキイロスズメバチらしきものに邪魔やと言われるように追い立てられるなど予定より早く武奈ケ嶽に着きました。結局、その後もこのタカらしきものにも、枯れ木一杯のナメコにも出会うことはありませんでした。

 標高570mから南方面への眺望 秋の日に、緑が鮮やかなイワカガミの葉
武奈ケ嶽山頂です 武奈から次のピーク三重嶽遠望

 この稜線は日本海からの北西の風がまともに当たり木々が真っ直ぐには伸びられずに地面に這うように生き延びています。また稜線からは日本海と琵琶湖の両方のうみが霞んで見える。ストックを地面につくと、あれ?白い煙が上がった、と思ったら、これはヒカゲノカズラの胞子だと教えてもらった。

 小浜湾を望む ブナ林の下のヒカゲノカズラ群落

 三重嶽へは一旦約200m下って登るが、コースが長いのでそんなにしんどくはなく、コースの所々の風景が楽しませてくれます。強烈な風でいびつに捻り曲がっても生きる生命力溢れるブナの木々、青空を水面に映す池など。実はブナには2種類あって、捻り曲がったひねたやつと、真っ直ぐ素直に伸びるやつとがあると教えてもらう。このコースでも素直なのとひねたのと両方のブナがあったけど、風など環境条件の違いが原因でほんまかいなと思うも、奥山で山林関係の仕事をしていた人の話だときくと、そうかなぁとも。
 途中、2人の単独行の人に出会う。そのうちのお一人はテントを担ぎ昨日からこの連休で高島トレイル80kmを踏破するというすごい人。確かに高島トレイルは各ポイントのアクセスが大変で、テント担いで一気というのもありとは思いますが…、いろいろと制約もあります、自由時間が…。

走るブナ 青空映す稜線の池
しなやかにブナが生きる 足腰しっかりと枝を伸ばすブナ

 そして、水坂峠から3時間40分で三重嶽に到着。山頂へはトレイルから200mほど東に入ります。ここからはあまり展望がきかず、先も長いので写真とってそこそこで出発。
 分岐ではブナの実が一杯落ちていて、皮をむいて食べる。結構おいしい、熊も欲しがるはずです。

トレイル最高点、三重嶽山頂です 三重嶽山頂への分岐の株立ちブナ
分岐のブナの実 うまいです。 ブナの実を食べるおじさんたち

 少し行くと、木々が枯れ地面にはイワヒメワラビが群生する景色が広がる。そういえばこの羊歯類がやたらと多い。ここでまたレクチャーを受けました。イワヒメワラビが広がるのはニホンジカの食害の影響。シカはこのイワヒメワラビを忌避することからこればっかりが拡大し、植生が極めて貧相になっていく。早くなんとかしないと。でも、そのせいで開けた稜線からは右手奥に、河内谷を挟んで反射板が目印の大御影山が聳えます。まだまだ遠いです。
 県境の大日尾根への分岐までは背の低く、ねじれたブナ林の中の緩やかなルート。左には天増川を挟んでこれもなだらかな三十三間山の稜線が見通せます。少し登り返して大日尾根の分岐。ここで2人連れのパーティーに出会う。今日初めて人に出会った、と言われルートを聞くと、石田川〜滝谷山〜大御影山〜三重嶽〜石田川の周回ルートと。これも良さそうなコースです。
 大日分岐から東にコースが曲がると、ブナの姿は一変。特に北斜面の福井県側は、長い年月を生き抜いてきた太い幹のブナの樹林帯が広がる。山スキーで行く奥美濃のような素晴らしい風景。大御影山への山スキー報告もネットで見たとの話も出て、決まりました。よし、今年の冬、新雪たっぷり積もったら福井側から山スキーに行こうと。
 などなどしゃべりながら最後の登りこなすと反射板がある大御影山に着きました。山頂からは遠くに三重嶽が霞み、振り返ると稜線が紅葉に染まってます。

 樹木がなくなりイワヒメワラビだらけ 稜線の右手に谷を挟んで大御影山
大日分岐からのルートのブナ林。 福井側斜面のブナ樹林帯
りっぱなブナが並ぶ 大御影山山頂

 大御影山でやっと、ゆっくりとお昼の休憩タイム。それぞれカップラーメンをすすり、ドライゼロで喉を潤します。午後2時に山頂を出て、ここもまた気持ちのいいブナのコースをゆっくり下ります。10年以上前にこの近江坂へMTBで来て楽しくMTBに乗れた記憶が少しずつ蘇ってきました。

大御影山から三重嶽遠望 粟柄河内林道に下る快適ルート
シャクナゲ一杯の近江坂 ゴール手前にある平池

 粟柄河内林道に出会う手前で、高島トレイルから外れます。トレイルはここからさらに北に続き、大谷山、赤坂山方面に向かいます。我々は古道近江坂を下ります。途中にはシャクナゲ群落が続くところもあり、ここも春、大いに楽しめそうです。
そして、スタートから8時間15分かけて、午後3時45分、ビラデスト今津に到着しました。

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