高島トレイルを歩く(その2)
水坂峠〜二の谷山〜行者山〜駒ケ岳〜木地山

山行日:2013年11月17日 天候:晴れのちくもり
メンバー:みやけさん、おおとさん、やまもりさん、たかはし
コースタイム:水坂峠7:50−二の谷山8:55−桜峠9:50−10:05/20−行者山11:35/45−横谷峠12:40/50−駒ヶ岳14:51/15:23−木地山16:21
 

 高島トレイルその2、今回は水坂峠から二の谷山、行者山を経てブナ原生林の駒ヶ岳を巡るコースです。車を一台、木地山のBSにデポして水坂峠に戻りますが、車での移動距離が意外に長く風邪が治りかけの体調が持つか心配でもあります。とりあえずマスクして7:50に出発。

【二の谷山】

峠から少しの登った送電線鉄塔の下からは、前回歩いた武奈ヶ岳が北に向かうトレイルの先にそびえる。それから先はガスの中の登行。基本的に稜線の右側は自然林、左は植林帯が広がっている。視界が余りないため、「板戸の鎧岩」との標識地点でも右手にあるはずの巨岩は見えませんでした。でも色づいた自然林の中の山道は気持ちのいいものです。急登を何度か経ると、二の谷山山頂への分岐に到着。右手に向かいガスに包まれたピークに。風が吹いて小寒く、木々からの水滴も落ちてくるので早々に出発し、分岐へ戻って桜峠への下山にかかります。

 しばらくなだらかな稜線が続き、稜線上や右手には、落ち葉のジュータンの上に黄や赤に色づいた二次林が斜面に広がり素敵なところです。次第にガスも晴れてきて、写真を撮りながら晩秋の山を楽しみます。車の騒音も聞こえてきて急坂を下ると、今津から朽木に抜ける鯖街道に出ます。

前回行った武奈ケ岳 二の谷山へのガスのトレイル
二の谷山山頂(608m) 色づく自然林。桜峠へのルート

【行者山へ】
 分水嶺は本来桜峠を横切りますが、ガイドブックによると自衛隊の演習場に近接するためトレイルはショートカットされています。通行量の多い鯖街道から椋川(今日は “おっきん” (おおきにという意)まつりの日で案内板が設置されてました。)への道に入り進むと、左手に別荘地への入り口が現れここから行者山への登り口になります。道路の右手には、大きな柿木がだいだい色の実を大量にぶら下げています。

 少しの休憩の後、急な尾根に取り付き送電線の鉄塔の下の開けたところからは、今歩いてきた二の谷山のなだらかな稜線と、反対側にはこれから向かう行者山が遠くに見えます。行者山へは稜線のアップダウンを繰り返しながら、大きなモミの木が並んで薄暗くなったところを経て自然林と植林の中を行きます。行者山山頂への分岐で左にいくとすぐに山頂です。なかなか手入れの行き届かない残念な人工林の中の山頂です。何も見えませんが、そんなピークもあります。

行者山登り口近くの実が鈴なりの柿ノ木 最奥が行者山(586.8m)
振り返るとなだらかな二の谷山 大きなモミの木の中を行く

【横谷峠へ】
 分岐に戻りトレイルをさらに横谷峠に向かいます。今回はここからナメコがあらわれてきました。そして、「あっ、ヒラタケがある」との声に振り返ると。ゴボ、ゴボッとヒラタケ(教えてもらい知りました)の塊が一本の木にいくつもあり、ありがたく頂きました。そんなこともあって、周りの木々をキョロキョロしながら前方不注意気味に進んでいると、群生しているエゾユズリハ(帰宅後調べるとユズリハの仲間の日本海側の植物)に隠れたルートをしばし見失いますが、稜線上のルートなので特段問題はありません。ここで、本日、はじめて別のパーティーに出会いましたが、山中で会ったのはこの時が最初で最後でした。

荒れた人工林の行者山山頂 林床にエゾユズリハ繁る雑木林
高くて採れないナメコ がっつりヒラタケ

【駒ケ岳へ】
 横谷峠に下ると車が一台。でも椋川方面は峠からすぐ先で斜面が崩壊し全く通行できない状態でした。峠で小休止の後、今日のメインの駒ヶ岳へ。ここも最初の急登をゆっくり上ると色付いた自然林の広がる気持ちの良い平場に出る。少し下ると展望が広がった場所があり、行者山から蛇谷ケ峰、比良の武奈など遠くまで山並みが重なり、本当に山深い自然の真っただ中と感じます。でも、足元を見るとここでもニホンジカが最も忌避する植物の一つといわれるイワヒメワラビばかりが群生する人工林も多く生態系の貧弱さが心配です。

△693mあたりの落ち葉のジュータン シカの食害のしるし イワヒメワラビ密生
二の谷山から行者山、辿ってきた稜線 遠く蛇谷ケ峰(左)〜比良の武奈ケ岳(右奥)を望む

 池原山分岐を過ぎるとお待ちかねのまとまったブナ林が現れます。そして駒ヶ池に。本当に静寂の山の中で、周りの木々の影を映す水面はきれいです。落ち着いた風景の中、心も癒されます。でも、ボクらの気持ちはまだナメコナメコに。あんな高いとこ手が届かへん、まだ小さすぎやなぁ、などなど。

ほんま、ええとこです。 でしょう。MTBを持ってきてほしい?
静寂のトレイル 駒ケ池
ブナ林の中のトレイル 誰にも会わない。もったいない。

 駒ケ池を離れ、山頂を目指す道も太いブナ林の中のますますいい感じに。新緑の頃もきっときれいでしょう。駒が越ではハイイヌガヤ(これもイヌガヤの多雪地仕様の植物)がトレイルに沿っていかにも植栽したように並んでます。そして駒ヶ岳山頂に到着。ここからは北から東の方面、今日来たルートが望め、ようもまあ、こんだけ歩いてきたなぁと感慨もひとしおです。ここでゆっくりノンアルとカップラーメンで体にご褒美です。

 分岐まで戻って木地山への下り。すぐに小浜湾が望めるポイントがあって日本海ってこんなに近いんだと改めて感じ、古くからの日本海と高島、京との交流も頷けます。西尾根も相変わらず心地よいブナ林などのルートです。するとまたも白くて大きく、肉厚のキノコが苔むしたブナの木に群生。「この割った中が黒いのはツキヨダケだからあかん。でも白いのはブナハリタケ、たぶん…」。と教えてもらうが今日のところは大事を取って収穫を控えておこうということに。最後に、3回沢を渡って木地山のバス停に16時21分に下ってきました。

日本海性の常緑のハイイヌガヤ 駒ケ岳山頂(780m)
駒ケ岳山頂から遠く二の谷山方面 西尾根からの小浜湾
苔むすブナにブナハリタケ? トレイルの途中でナツエビネ。真夏に再訪!

 コースは約20kmほどで長かったですが体調も悪くならず、ほっ。かえってリフレッシュできました。静寂の秋のトレイルで、紅葉はもちろん、ブナの林や山上の駒が池、たくさんのキノコの収穫に、途中にはナツエビネの葉があちこちにあり真夏も期待も持たせてくれるルートでした。

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