伊吹山頂のヒメボタルを探して−2009年7月11日−

ヒメボタルです。(伊吹山山頂で)

 実は米原市内や県内外の各地で生息していますが、やっぱり伊吹山の8合目あたりから上部の山頂周辺の草の中のあちこちで、光を点滅する光景は、「わぁ、すごい。」と参加者の声が上がるのもうなずけます。
 すごく小さく、1cmもありません。

 伊吹山の麓、上野区有志の主催で「幻の伊吹ボタルに出会う旅」が企画され、お手伝いを兼ねて参加しました。
3合目のユウスゲも満開近く、そして8合目以上で光を放つ多くのヒメボタルに感動。
 参加者は兵庫や愛知など県外からもたくさんお迎えし100名を越える大盛況。10人程度の班に分けゆっくりと歩を進めます。ボクは午後8時に皆よりやや遅れて出発し1合目過ぎに追いつくも、既に汗だく。

ユウスゲ:午後9時、大きく花びらを広げて 午前7時、花びらはやや閉じ気味に

  3合目では地元の森さんよりユウスゲや3合目の花のお話を覗う。ユウスゲは午後3時ごろから開花し始め、5時くらいには大きく開く。そして翌朝7時頃(梅雨の時期は9時頃)には開いた花は役目を終える。一つの個体にトータルすると15程度の花が次々咲いていく。天敵はアブラムシ。これが数年に一度大発生し、あまり花を楽しめない年もあるが、どっこい根っこは生きているので、翌年は復活してくれるという。今年はいいらしいです。

 3合目はもちろんユススゲだけでなく、次々といろんな花が咲きます。先日も森さんは50種も確認されてという。

オオナルコユリ(6月20日) サルナシ(6月20日)

ほかにも、3合目〜山頂にかけては、イブキトラノオが多く、そしてハクサンフウロ、ウツボグサ、クルマバナ、キバナノカワラマツバ、キバナノレンリソウ、クサフジ、ヤマゼリ、シシウド、オオハナウド、ヤマホタルブクロ、ニッコウキスゲ、クララ、カワラナデシコ、キリンソウ、メタカラコウ、オオバギボウシ、ホタルブクロ、カラマツソウなどなど。夏の花にだんだん移っていきます。

 そして、夜間登山一行は頂上を目指す。
ヒメボタルには5合目で1匹目に遭遇。本当に小さい。でも、光は明るく輝く。
上に登るにつれ少しずつその数は増え、9合目手前から、左の急なルンゼの草原にはあちこちでホタルの輝きが点滅する。真っ暗な標高千三百mを超える山頂周辺で出会うホタルの光には、感動しました。

 山頂で午前0時半からは、山東の鴨とホタルの里づくりグループの皆さんからヒメボタルのお話をうかがう。

 ヒメボタルは北海道を除く全国に生息し、大型のヒメボタルが標高の高い山地に、小型が平地にいて、伊吹山のものはこのグループの皆さんの調査では平均8.3mmで大型、市内は小型ということでした。ゲンジボタルと異なり、オスが大きく、メスは小さくはねが退化し飛べないらしい。餌はカワニナはもちろんいる筈がなく、巻貝やカタツムリ。特に空の殻が多く見つかるいかした名前のヒルゲンドルフマイマイなどが主な餌ではないかと。何と山頂付近には1万匹程度生息しているのではと。

 伊吹山は全国的にも貴重な陸型貝類の生息地らしい。殻の成分となる炭酸カルシウムが多く含まれた石灰岩質、山頂部は草原地帯、冷涼で霧の多い夏、降雪の多い冬などの気象条件がその要因。(伊吹山自然観察ガイドより)

 ともかく、来てよかった。半世紀(ドキッ!)も地元伊吹に住んでいて、初めて見たのだから。ヒメボタルの季節は夏の登山シーズンの前だからなかなかめぐり合えるチャンスも少なかった。

 ボクのカメラでは幻想的なヒメボタルの光は撮れなかったので、是非見に来てください。

じゃあ、待ってるし。

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