秋・伊吹山・北尾根。彩の四季の詩はいよいよ最終章へ。 

アケボノソウ 第一目標に出会えました。

日 時:2004年9月20日(祝)
 7:10 3合目−8:05頂上−8:30北尾根入口−9:35御座峰−11:20北尾根入口−12:00 9合目−13:00 3合目

 8月以来、ほぼ1ケ月ぶりとなりました。半月も経つと花畑の様相も大きくかわってくるので、行けなくていらいらしてましたが、ようやく実現しました。何といっても一番の目標はこの「アケボノソウ」。ナイ、ナイ、ナイ、ナイなぁっと、また来年と思っていたときに姿を見せてくれました。やっぱり、きれいです。

 この日の8合目から上部はガスがかかりすっきりせず、頂上で日本武尊像にちょっと会釈して、ドライブウェイ駐車場へ下りかけると、中央遊歩道は丁度階段の新調工事の真っ最中。環境への負荷は極力少なくしてくださいね。

ヤクシソウ ミツバベンケイソウ

  そして、北尾根入口に到着。時折、行く手の北尾根は特に美濃側はガスに覆われています。今年はツキノワグマが各地で出没していて、熊よけの鈴は必携です。お互いにとって出会わないことが、幸せですよね。 

 さすがに北尾根、9月下旬になっても植生は豊かです。また、前回8月には山道も草に覆われた部分もありましたが、今回はきれいに両脇が刈り取られ歩き易くなっていました。

ミカエリソウ アキチョウジ

 ちょっと待って、振り返ると、桃色のフジテンニンソウが…。いろんな花に赤花や白花があるようにフジテンニンソウにもあるんだなぁ、と思って家で図鑑をめくっていたら、「ミカエリソウ」とある。この花、咲く時期や場所がその存在感を一層高めています。
 一方、秋にはトリカブトやリンドウなど大柄な青や紫系統の花が多く、同系色で2センチに満たない写真のアキチョウジは振り返ってもらえず、山道の両側の花は登山者の足にぶつかって、さびしく地面へ?

サンインヒキオコシ イブキアザミ

 上のヒキオコシですが、写真からは亀の尻尾がでているような形の葉っぱの「ハクサンカメバヒキオコシ」とは確認できず、同じく日本海側に特有の「サンインヒキオコシ」ということで。

山道の岩陰に咲いた花?シロツチガキ

 約1時間で御座峰に到着。北尾根入口からアップダウンが多く意外に時間がかかりましたが、稜線や樹林の中など変化もあり楽しいコースです。往路は誰にも会わず、帰路北尾根入口近くで数人にすれ違いました。

ジンジソウ イブキレイジンソウ

 お初にお目にかかります。「ジンジソウ」さん。花弁は5個。上部の3個は小さいですが、黄色がアクセントになっておしゃれです。一方、下の2枚は長く、全体として「人」の字に似ているのでこの名前があるんですが、どうも、昨日来の雨で2枚がくっついてしまったようで、誠に残念ながらネクタイの様にしか見えません。
 右は、特産種の伊吹伶人草。花の形が雅楽の奏者である伶人(見たことないですが…)の帽子に似ていることからその名がついたようです。

ナギナタコウジュ クサボタンの果実

左のナギナタコウジュ。これまたその名のとおり、花穂がナギナタのように曲がっているところから。
右のクサボタンの花はこれまた見事な変身です。雌しべの花柱が上のような羽毛状に。

そして、伊吹山北面で出会えました。アケボノソウ、ダイモンジソウ、イブキコゴメグサ、そしてウメバチソウ。

ダイモンジソウ アケボノソウ
イブキコゴメグサ

 ダイモンジソウやイブキコゴメグサはたくさん群生し、アケボノソウは2株のみありました。ようやく雲が切れ青空が見えてきましたが、同時に心の中のもやもやしてたものも一気にどっかへ行ってしまいました。

ダイモンジソウとイブキコゴメグサ ウメバチソウ

 そして、ドライブウェイ駐車場からは中央遊歩道が工事中のため人が集中した西遊歩道を9合目まで登り返すと、リンドウやリュウノウギクが咲き始めてました。

リンドウ リュウノウギク

 リュウノウギクは、葉をもむと竜脳のような香り(樟脳に似ている)がするのでこの名があるとありましたが、それぞれの匂いが全然わかりません。いずれにしてもリンドウとともに伊吹の最後を飾る花が咲き始め、長く続いた伊吹の花のシーズンもそろそろ終わりに近づいてきました。

イブキアザミが群生

 5合目から上の草原では、春から次々とその主役がかわってきましたが、今回はイブキアザミでした。

秋もいよいよ深まってきます。


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