コーヒー・ブレイク(7)プロの仕掛け

 趣味の物を飾りたいと思えば、当然それに合う空間が必要になる。古い物を置いても違和感のない住まい、その実現にはまず設計ありきだ。地元の建築家にお願いすると決めたのは(失礼ながら)ネットでいくつか作品を見ただけの単なる直感だった。まあ、設計事務所が近ければ頻繁に打ち合わせもできるし、建築中も監理が行き届くだろう。しかし、普通ではない私のこだわりを汲み取ってもらえるだろうか。確かにそんな不安もあったが幸い杞憂に終わった。

津商業高校

偕楽公園

四天王寺

寒松院

お城公園

2012.11.24

 居ながらにして季節の移ろいを感じられる住まいは実に贅沢なものだ。今は、日一日と葉の数が少なくなるトネリコ、ジュンベリー、日毎にその葉色を変えていくモミジやスモークツリー、それにブルーベリー、春に備えてもう蕾の準備ができているハナモモ、ヒメコブシ、ハナミズキやトサミズキなど、やはり落葉樹が味わい深い。こんなにも季節の変化を身近に感じることができるのは、単に開けられた窓の位置だけではなく、光の動きや風の流れもあると感じた時、プロの設計の仕掛けに気づく。何もこの時期、人混みを見に紅葉の名所を訪ねなくてもいいのだ。というわけで今年も、自宅と近場で紅葉狩りを済ませた。