コーヒー・ブレイク(6)秋の庭
2012.10.26
道を歩いているとどこからともなく金木犀の花の香りが漂ってくる、そんな今の季節が一番過ごしやすい。今年はいつまでも残暑が厳しく、彼岸花が咲き終わっても一向に涼しくなる気配がなかったが、実は私はこの花が無性に好きである。その名のごとく律儀に彼岸の前後に咲くのもいいが、迷いのないシャンとした花姿も魅力的だ。こう話すと、ひとが「ええ〜っ?」と意外がるのもまたいい。それで、自分の庭にも彼岸花の球根を植えたが、狭い場所でのホトトギスとの激しい生存競争の様子は、秋の庭の風情とは程遠いことになってしまっている。あれもこれもと欲張っていろいろ植えた我が家の庭は、まさに自然淘汰の庭でもある。