今年は蕾がやけに多く付いたので、あれれっ?と思っていたら、あれよあれよ、とご覧のとおり。こうなると今までの冷遇も忘れ、もうお姫様扱いの毎日。写真は撮るし、ライトアップはするし、で一躍トップスターに相成った次第。

 それで、オールドノリタケだが、藤を描いたこの品の見所は、何といってもバックのマーブル模様だろう。時々見かける手法だが、この石の質感の表現が実に効果的で、藤の花をドラマチックに演出している。

☆藤娘

2017.4.28

 十数年前に買った藤の木に、今年は今までにないほど見事な花が咲いた。買って23年はそれなりに花も付いたが、それ以降は植え替えても何をしても葉ばかりが茂り、残念な木の一つとして格段大事にもしてこなかったが、昨年ただ一房、やけに見事な花を付けて、どういう風の吹き回しかといぶかっていたら、秋に再び小さな花を付けたので、ますます首をかしげていたのだ。

 最初で最後かもしれない、と思うと余計に、一番美しい姿を残しておいてやろう、とか、この春の幸せを最大限に楽しもうとか思うのだ。そして、愛娘の二十歳の晴れ着姿を残したい親の気持ちもこんなものかと、ちょっと想像してみたりもするのだ。