☆カーネーション
2016.5.20
20世紀初め、あるアメリカの少女が、亡き母に白いカーネーションを捧げたのがきっかけで、1914年ウィルソン大統領が、5月の第2日曜日を“母の日”と定め祝日とするまでになる。日本で同じ日を“母の日”とするようになったのは戦後であるが、今ではすっかり定着し、この季節花屋の店先は、品種改良された様々なカーネーションで溢れている。最近は何の日にしても、あまりに業界の思惑が見え過ぎて、私などついつい天の邪鬼になってしまいがちだが、花自体には何の罪もない。
ハンドル付きプレートは同じ図柄の色違い。ところがこの図柄も得意の(?)パクリで、レオネ・ミッシェルという版画家の作品をもとにしているという。世が世なら大問題である。
せっかくもらった花なので、今年はとっておきの花瓶に活けてみた。オールドノリタケアールデコの中でも人気の “サザンベル(南部美人)”と呼ばれる図柄である。バスケット型なのが珍しいかと、ちょっと自慢の一品だ。中澤弘光の“カーネーション図”を背景に撮ってみた。
カーネーションの栽培は、遠く古代ギリシャ時代に遡るようだ。その後ヨーロッパで盛んに栽培され、日本へ伝わったのは江戸時代、オランダ船によってという。
ところで、オールドノリタケでカーネーション図は、というと、これしか持ち合わせがない。高さが40p近くもある大型花瓶である。絵の輪郭を黒く縁取る描き方は、時々目にするがいつも印象的だ。