☆華麗&妖艶
それはともかく、丹念に貼り付けられた細かいビーズが、光の当たり方によって様々に変化して見えると、えも言われぬ妖しい輝きを発するのである。
2012.11.1
普段使いに打ってつけの一輪挿しがある。特に一輪だけ咲いたバラを生ける時はほとんどこれになってしまう。何でもないバラの図柄だが、少し図案っぽくて気に入っている。コラレンという技法が使われているが、これは、透明ガラスをビーズに加工し、上絵具でマットに塗られた磁胎に下絵通りに貼り付け、その周囲を金線で囲むという手間のかかる技法で、ビーズの細かいブツブツがまるで珊瑚(coral)のようなところから、”coralene” と呼ばれている。これはオールドノリタケではないが、明治の末期に出現し、十二〜三年で姿を消した、希少な輸出用美術工芸品なのである。
一時は夢中になって集めていたが、大量にあるノリタケに比べて圧倒的に数が少なく、紹介本が出てからというもの価格も高騰し、あれよあれよという間に高嶺の花となってしまった。デコっぽい図柄で欲しいものもあるが、今となっては叶わぬ夢で終わりそうだ。