ウイルス性感染症対策
ウイルス性感染症への対応
十分な知識と確実な消毒法。
清潔な環境で感染症を防ぎます。
ウイルス性感染症への構え
私たちが消毒において、今一番気をつけなければならないのは、B型肝炎ウイルス(HBV)や、エイズウイルス(HIV)による感染症への対策が、不可欠なものとなりました。特に感染爆発の可能性を秘めたエイズには、十分な知識と確実な消毒法が必要とされます。現実には、医療機関内の注射針の誤刺による、HIV感染事故が全世界の感染者に占める割合は、極めて低い確率であり、それに比すると理容店での感染予測は、「0」に近い低い数字になることは間違いありません。


しかし、社会的不安を招くような消毒法では信頼性を失い、大きな損失をもたらすことになります。医療機関の消毒・減菌はウィルスとして感染力が最も強いHBVをベースに考えられています。理容店の消毒もそれに準じた方法をとるべきだと考えます。
理容業においての
感染症知識の周知・再確認
エイズの現実
1981年、アメリカで発見されたヒトの免疫機能を破壊する病気は、Acquired(後天性) Immune(免疫) Deficiency(不全) Syndrome(症候群)の頭文字をとって、AIDSと名付けられました。この病気の特徴は、ヒトの免疫機能を破壊するという、前例のないものです。

そのために、決定的な治療法が確立されていないのが現状です。日本のエイズ感染者は、年々増加し、性的接触が低年齢化している現状を踏まえると、この数字は表層的なもので潜在する感染者は、数倍と考えられます。感染爆発に備え、安全を社会に提唱しなければなりません。
B型肝炎症状
肝炎ウイルスはA型〜F型までが発見され、最近はC型が注目されていますが、消毒の基本はB型。感染力が非常に強く、急性肝炎や劇症肝炎を引き起こします。

日本のHBキャリアは200〜400万人と言われ、今や国民病とも言われています。指のささくれ程度の傷からも感染することから、医療機関も院内感染に最も注意をはらうのがHBVです。HBVを消毒できる方策であれば、他のウイルスにも有効であるという考え方が医学界の合意です。
エイズとB型肝炎の対比
  後天性免疫不全症候群 B型肝炎
略称 AIDS --
ウイルスの呼称 HIV HBV
ウイルスの直径 約100nm 約42nm
宿主細胞 リンパ球のT4細胞 肝細胞
細胞への影響 T4細胞の破壊 肝細胞の破壊
感染力 1/1000cc 1/1億cc
主な感染経路 輸血、血の曝露、SEX 輸血、血の曝露、SEX
感染因子 血液、体液 血液、体液
血液感染症対策
「血液媒介性ウイルス」消毒方法の検証
煮沸消毒の必要性
完全実施の再確認と徹底
昭和23年に施行された、理容師法施行規則第24条に規定する消毒法
一番恐れられている「血液感染症対策」は、カミソリ並びにカミソリ以外の器具で、血液の付着しているもの、そして血液の付着の疑いのあるものについては、器具を充分に洗浄した後に煮沸消毒、エタノール消毒、次亜塩素酸ナトリウム消毒のいずれかの方法により行わなければなりません。我々が確実に正確に消毒を行う事が、理容師としての必修であり、責任でもあります。


もし消毒を怠っていたら、貴店舗からお客様が遠退いて行きます。消毒は自分自信のためは勿論、家族、お客様、社会、業界全体の信用と公衆衛生の維持管理に貢献する事で、最も大切な事であります。

最も有効な消毒方法 煮沸消毒 守っていますか?
HIV(エイズ)、HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)は切り傷や注射針等から血液媒介のウィルスにより感染する事が解明されています。又、これらのウィルスは、特に熱に弱い事も判明されています。そして、最も有効な消毒方法が「煮沸消毒」である事は既にご承知の通りであり、煮沸後2分間以上煮沸する事で菌が死滅することが証明されています。
・・・もしも世界中、いや日本のどこかの理容店からカミソリからHIV、HBV、HCVが感染したと云う報道が一回でもあったら、我々業界が大混乱を起こす事は明らかです。
今後は理容師法を遵守しながら、社会の変化に応じて、高度な消毒方法を追求し、自己責任の観点からも消毒には「責任と自覚を持ち」、お客様への安心と満足を提供できる店づくりにしたいものと考えます。 更に、理容師自らの保身のためにも、「完全な消毒」を実施して行こうではありませんか。
理容における器具の消毒
理容所及び美容所における皮膚に接する器具の消毒は、以下のとおりとする。
沸騰後2分間以上、煮沸する方法。
エタノール水溶液(エタノールが76.9%〜81.4%以下である水溶液。以下同じ。)中に、10分間以上浸す方法。
理事部門検討委員会の、各プロジェクトチームで取り組む。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸ナトリウム0.1%以上である水溶液)中に、10分間以上浸す方法。
かみそり(頭髪を切断する用途に専ら使用されるものを除く。以下同じ。)
及び剃れ以外の器具で血液が付着しているもの、又はその疑いのあるものに係る消毒は、器具を十分に洗浄した後、次のいずれかの方法によりしなければならないこととする。