真空管アンプのアイデアメモ

電源トランスを換装したことにより見事に復活した6DE7差動プッシュプルアンプですが、もともとは’00年のゴールデンウィークに完成させたアンプで、あまりに熱くなるためにあまり使用せず、特に夏場以降は全く放置した状態でした。付け替えた電源トランスを入手したのが12月に入ってからですから、実に半年近くもです。その間、このアンプをバラして他のアンプを作りたいという衝動に何度も何度も駆られました。前の電源トランス(LH−150)は取り出して置いてありますから、今後またやる気が沸いてきたらすぐ着手できるように、その時に考えていたアイディアをまとめてみました。

6DE7差動PPアンプでの問題点は、LH−150のB電源用の電圧が高かったことです。そこで、この高い電圧を利用できる回路を考えてみると、SRPP回路と各段アンプ回路の直結が考えられます。まずは6BM8を使用した全段差動SRPPアンプを考えてみました。

SRPP回路は初めてなので勉強になると思いましたが、6BM8の動作を考えるとトランスの容量的に目一杯の使い方になります。(ヒータだけでも40W近くになります。)LH−150は結構熱を持つトランスのようですので、次のアイディアが出てきたこともあり、結局見送りました。改造版6DE7アンプに使用している電源トランスならば大丈夫だと思いますが....

次に考えたのが、前から作ってみたかったST管を使用したアンプです。この時は直結回路で高電圧をやりくりしようと考えました。出力管としては、電源トランスの容量的にも余裕を持って対応できる71Aをピックアップしました。直結回路に関しては、動作点の経時変化で古典球を危ない目に会せたくなかったのと、バイアスの結構深い71Aに対して2段構成を取りたかったので、6CK4差動PPアンプで成功した半導体増幅回路をほぼそのまま持ってくるという回路構成です。

このアンプは部品もほとんど入手し、蛇の目基板による初段回路や電源回路も組んだのですが、ひょんな事から6DE7アンプ用に最適な電源トランスを発見してしまったことからペンディングになってしまいました。

以上の出力管も含めまして、今までに検討した主な三極管および五極管三結の差動プッシュプル回路による動作例を表にまとめてみました。(この動作例は私がEp−Ip曲線から導き出したもので、その動作を保証するものでは全くありません。特にバイアス特性は推定値です。)

この中で面白いと思うのは、5842と6CL6でしょうか?5842は小出力ですがrpが低くμが高いので、単段でパワーアンプができそうな感じです。(下図参照) NFBを掛けるとゲイン不足気味になりますが、ループの外でインプットトランスでステップアップして対処する手や、6DE7差動プッシュプルアンプのようにFETアンプを一段かます手もあります。

6CL6(三結)はバイアス電圧が低いので6DJ8等の低rp管でドライブすれば2段構成で広帯域のアンプが出来そうです。6CL6は見てくれがあまり良くないので、眺めて楽しい球でないことが惜しいところでしょうか。

なお、このページの回路図はあくまで私が忘れてしまわない為のメモですから、実際に動作するかどうかは保証の限りではありません。悪しからず。

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