榊原のものしりになろう

=榊原ものしり講座から=

*昔から榊原に伝わるお話*

日本武尊と笠取山

 榊原は北を奈良街道(伊賀街道)国道163号線、南に初瀬街道165号線で挟まれた地域で、この榊原からも伊賀を通って都に通じる道がありました。
 現在はその一部が榊原自然歩道となっていますが、榊原から海のない伊賀方面に塩を持って通ったことから「塩の道」ともいわれています。
 その昔、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が江戸に向かう途中に伊勢神宮参拝のため、この塩の道を通って伊賀から伊勢に向かわれました。国を分ける青山高原を越えるとき、山の稜線で強い西風にあおられて旅笠が吹け飛んでしまいました。山を下ってカリキド(仮木戸)で村人たちにその話をしました。「あの山は笠取じゃ。風が拙者の笠を取ってしまった」と。
 話を聞いた村人たちは旅をするのに笠がなければ不便だろうと、野良仕事に使う笠を渡して無事に旅を続けられたということです。そして、その旅人が日本武尊だったと、今も語り継がれています。
 久居市では、笠が取られるほどに吹く風からエネルギーをというアイデアで風力発電施設が完成し、現在では24基の巨大風車がしっかりと風をとらえています。

カリキドに残る道標
「やまみち・いがごへ」と刻まれており
ここからは伊賀へ越える山道ですよ、と教えています。
写真をクリックすると地図が表示されます。