日本共産党津市議団
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給食問題のページ

食育の立場で給食問題を考えるシンポジウムを開催
 1月27日、議員団の主催で表題のシンポジウムを開催しました。基調報告は中京女子大の新村教授にお願いし、保護者・生産者・小児科医の3名のパネリストをお迎えしました。パネリストとして教育委員会の出席も要請していたのですが、教育委員会はセンター方式・民間委託でしか給食は実施できないとの立場から参加は見合わせるとのことで、残念ながら教育委員会はパネリストとしての要請を断ってきました。

 議員団としては特定の考え方を示すのではなく、各方面の意見を聞く、という観点から開催したのですから、この機会に教育委員会も言いたいことを言い、参加者に理解を求めればよいと思うのですが、教育委員会自身が、食育の立場に立てば「直営・自校方式」以外にないことをわかっていますから、その矛盾が露呈することを恐れ、参加できなかったのではないかと考えるのですが、これは邪推でしょうか。

 新村教授の基調報告を簡単にレジュメから抜粋して掲載します。

1.日本国憲法・教育基本法・学校教育法・学校給食法とつながる食育
2.子ども・青年の「学習権」「発達権」を保障するための教育施設・教育活動が学校給食の目的
3.学校給食は@民主的な人格の形成 A平和と民主的な国・社会をになう「主権者・国民」の形成のため
4.従って、食べさせればよいのではない
5.具体的には以下の給食活動・食育が必要
 (1)子どもたちが給食の献立を考え合い、栄養職員・給食調理員・給食主任などが指導・助言して完成させ、その献立を実際の給食にして生徒たちが味わう活動
 (2)食材の生の姿・形を知らない子どもたちのために、エンドウ豆・そら豆などに触れさせ、豆を取り出す活動
 (3)学校田・菜園で作物を育て、それを給食の食材として活用し、給食にしていく活動
 (4)地域・郷土に伝わる郷土食を学びながら、給食にしていく活動
 (5)農家の方々に野菜の育て方を教えていただき、その野菜を使った献立の給食・食農教育
 (6)稲作りと給食・食育の活動、脱穀・精米・餅つきなどの全一的プロセスを学ぶ活動
 (7)堅い食物を食べず、咀嚼力の弱い顎や歯の弱い子どもたちのために、炒り大豆、雑魚、するめいかを食べさせる活動
 (8)米研ぎを経験させ、電気釜で炊いたご飯を食べるようにしている学校給食・食育
 (9)地域全体で無農薬米、低農薬野菜を作り、学校給食に出す活動(福島県加納小学校)
 (10)地産地消の観点から、地元で安全安心の大豆や米を作り、さらに味噌や醤油を作って給食で使う活動(群馬県高崎市、岐阜県中津川市、他多数)

『結論』

 センター方式は、地産地消が難しいため地域との結びつきがなくなり、、調理員と子どもたちの結びつくもなくなり、たんに「食べさせる」ことにとどまる。
 民間委託は、子ども・保護者・教職員・調理員の「教育的関係性」を営利企業が商品としての食事を提供する「商品の売買関係」にしてしまう

 従って、食育の立場に立てば、「直営・自校方式」の給食がベストであり、「民間委託方式のセンター給食」は最悪の部類である 

岐阜県瑞浪市の給食センターを視察しました

 瑞浪市は昭和42年からセンター方式の給食が開始されています。ピーク時で5500食の給食を提供していました。

 平成14年に5000食の能力を持つ新しい給食センターを約13億円(敷地7,157.63uは中学校跡地を利用したため、用地代は入っていません)をかけて建設しました。市内の3幼稚園、8小学校、6中学校すべてに供給していましたが、少子化により一部統廃合が行われ、現在では2幼稚園、7小学校、6中学校となり、計15施設分、1日4050食を供給しています。ただし少子化がさらに進んでいるため、2008年度からは4000食を割り込む見込みです。

 センターは瑞浪市の直営で、調理員は正規職員17名と臨時職員8名で構成され、このほかに所長と事務職員、及び栄養士2名が常駐しています。所長さんは「子どもたちの健康と成長を保障する給食ですから、民間委託は考えたこともありません」と直営方式に誇りを見せていました。

 設備は文科相基準を達成するドライ方式であることは当然ですが、特にこだわったのは、「汚染防止」だそうです。その辺りをセンターのパンフレットで見てみましょう。

 『食中毒の原因をたどっていくと、多くの調理場において「食材の交差」などの調理場システムの不備が浮かび上がってきます。また「調理作業員の手を介したもの」というソフト面においても、意識しやすい作業条件という面では、やはりハード面が深く関わっていると考えられます。そこで、当センターでは、食材の納入や作業区分を明確に区分けし、交差による「汚染防止の徹底」を図りました。さらに、保温保冷食缶やチラー付き真空冷却器を採用することにより、調理済み食品が10度以下、65度以上で保管できるため、料理が教室に到着するまでの衛生管理が、より適切に行えるようになりました。これら徹底した衛生管理をすることにより、生野菜など、これまで提供を控えてきた献立にも対応できるようになりました。』

 こうした理念を実現するため、食材別に荷受けのプラットフォームを設け、それぞれの食材が「交差」することなく、それぞれの処理室や冷蔵庫に運ばれる仕組みになっています。勿論、こうした考え方は調理員の流れや調理済み食品保管、調理に使用した器具やカートなどの洗浄についても徹底しています。

 ただし、4050食が一度にできあがるわけではありません。各学校への配送を4台のトラックで行っていますので、綿密なダイヤを組み、11時から順次配送が始まります。受け取る学校の方にも、特別な施設が必要になります。保温保冷や衛生面などからそれなりの設備を設置し、さらには「配膳員」と呼ばれる専門の人的配置(各校1〜2名)も必要になります。

 センターは瑞浪市(面積175平方キロメートル)の中心に位置していることから、一番遠い学校でも25分で行けるそうです。所長さんは配送の時間は30分が限度と強調していましたので、津市が琵琶湖よりも大きい710平方キロメートルあることを話すと、「う〜ん」と唸っていました。

 「地産地消」の点ではどうでしょう。年間の食材費2億円の内、地元産は170〜180万円(そのうち椎茸が120万円)と、1%もありません。何故こうなるかと言えば、大量の食材を短時間で調理するにはスライサーなどの機械に頼らざるを得ず、形や大きさの整った食材でないと機械にかからないため、地元農家からの調達が不可能となること、さらに大量となる必要量が地元でまかなえないことから、「地産地消」ができないそうです。

 こうした視察結果から見ると、津市でのセンター方式の採用には、相当な無理があるように思います。

 6000食のセンターとなると、瑞浪市よりもセンターの規模が大きくなりますから、建設費は相当巨額になりますし、建設費以外にも、各学校での受け入れ設備の建設費が必要になります。また、人件費も、市教委は22名分で計算していますが、25名で対応している瑞浪市より規模が大きいのですから、作業量や衛生面からとても22名では対応できず、2億円と算出している運営経費はもっと跳ね上がるのではないでしょうか。

 4050食の瑞浪市の経費は1億9500万円ほどです。来年度は2億円を超えると予想されています。津市での運営経費が2億円で済むとはとうてい考えられません。別途に各校に配置する配膳員の経費も必要です。さらに、規模が大きい分、余計「地産地消」が難しくなるという問題もあります。

 このように津市におけるセンター方式には様々な問題点があることを改めて認識させられた有意義な視察でした。視察の正式な報告書は議会図書室に備えられますので、どの会派の視察報告書でも、事務局に申し出れば閲覧できます。

 この日の献立は、主食が麦ご飯(ふりかけ付き)、主菜が関東煮(おでん)、副菜があじの照り焼きと白菜のおかか和え、それに牛乳が付きます。カロリーは小学生で620、中学生で791キロカロリーです。

 私たちも小学校高学年用の試食をさせていただきました。もちろん「給食費」は払いました。ただちょっと配慮していただいて、関東煮の量は多めだったようです。

 味はかなりの薄味で、栄養士さんのお話では、意図的に薄味に徹しているそうです。


学校給食のアンケートについて
日本共産党津市議団では学校給食について、みなさんのご意見をお伺いしたいと考えています。
近々、アンケート付きのチラシをお配りしますので、ご協力をお願いいたします

2007年9月議会での給食の議論はこちら

学校給食在り方検討委員会の答申が出ました

 学校給食在り方検討委員会は、8月27日に最終答申を出しました。

 答申は、給食を実施していない中学校については、早期に給食を実施することが望ましいとして、調理・配送業務等の民間委託も含めたセンター方式での実施を求めています。美杉中学校については、小学校との親子方式としています。

 現在、自校方式で給食を実施している学校については、センター方式に切り替える事に対して慎重な意見が多く、中学校のセンター方式による整備とは切り離して検討することが適当としています。

 幼稚園給食については、実施園と未実施園があることから、基本方向としては給食実施が望ましいとしながら、幼稚園の保育時間や3歳児保育の実施、未実施等の問題があり、「津市幼稚園・小中学校在り方検討委員会」での議論を踏まえ、幼稚園給食の実施について具体的な検討をすることが適当としています。

 学校給食在り方検討委員会の答申を受けて、教育委員会としての方針が明らかにされる見込みです。日本共産党市議団は、食育の観点からセンター方式ではなく、自校方式での実施を求めてきましたが、中学校給食の早期実施の答申が出されたことは、大きな前進であると考えています。

津市の学校給食の現状

 驚くべきことに、津市では地域によって給食のあり方がバラバラです。というのも、2006年1月1日の合併で10市町村がひとつになったにも関わらず、給食については当面旧市町村のやり方を続けることになったからです。

 まず中学校については、旧津市地域は東橋内中学のみ実施、その他の中学は実施していません。東橋内中学が実施しているのは、給食を教育に位置づけた教師と保護者の運動の成果です。旧久居地域は3校とも牛乳だけ出しています。旧美杉村地域は美杉中学だけですが、実施していません。そのほかの旧7町村地域にある7中学においては、自校方式・センター方式の違いはありますが、給食を実施しています。

 次に小学校については、すべての学校で給食を実施しています。ただし、やはり自校方式とセンター方式の違いはあります。

 幼稚園はどうでしょうか。旧津市地域では大里と高野尾の2園だけは給食がありますが、その他の幼稚園では給食はありません。これは昭和48年に旧豊里村が旧津市に吸収合併される以前から給食を実施していたものが、そのまま維持されてきたのです。旧久居地域の幼稚園は全く実施していません。そのほかの旧8町村の地域ではすべて給食がありますが、一部センター方式です。


合併協議ではどうなっていたか

 合併協議会の会長を務めていた旧津市最後の近藤市長は、「必ずしも教育に給食が必要だとは言えない」という発言をしていました。

 そのため「食育」「地産地消」「安全安心」という観点から必要な自校方式での給食の重要性が後景に追いやられました。結局、合併協議会では、センター方式を含めて学校給食検討する、との結論になってしまいました。

 「学校給食」ということですから、検討の対象は中学校だけではなく、幼稚園を含めてすべての学校の給食が見直しの対象となってしまうのです。


今、どんな検討がされているか

 旧津市内に給食センターを建設して、各中学校に配送する、という方向が打ち出されています。経費的にも自校方式よりも効率的だというのです。

 しかし市が示している試算にはカラクリがあります。いかにもセンター方式の方がコストが低いと言わんばかりの試算ですが、センターができれば、管理責任は市が負うにしても、実際の調理は民間企業に任せることになります。すると現在の調理員さんや栄養士の方々はどうなるのでしょうか。

 解雇はできませんから、結局、民間企業に任せた分だけ経費は増加することになります。市の試算はここを隠して公表していますから、嘘とは言いませんが、事実をすべて示していないと言えます。

 これでセンター方式の方が安上がりだと主張するのですから、いかがなものでしょうか。
 
小学校の給食もセンター化

 センター化は中学校だけではありません。小学校も施設の老朽化が進めば、文科省基準に合うように改修するのではなく、自校方式の給食を廃止して、順次三つの給食センターに統合していく可能性が高くなっています。

 教育長は3月議会の「教育方針」で「教育は愛だ」と述べましたが、愛はコストに負けてしまうのでしょうか。しかも、給食会社と食材の大手問屋を儲けさせ、市の財政はちっとも改善されないカラクリが秘められた試算をもとに。
 


センター方式は何故ダメなのか

 国会は「食育基本法」を制定しました。県の担当者は「食育基本法の立場から言えば、自校方式しかないわなぁ」と語っていましたが、まさに食を教育と位置づける国の方針から逸脱しています。

 センター方式だと、大量の食材が必要になります。安定的に大量の食材を仕入れるためには、地元の農家や商店には頼れませんから、大手の問屋から調達することになります。地元の産品は使われません。当然外国産品や冷凍食品が増えていきます

 自校方式なら地元のAさんが作った米やBさんが作った野菜を食べることができますが、「地産地消」が吹き飛んで、どこの誰が作ったか分からないものを食べると言うことです。また、地域経済にも打撃を与えます。

 万一、感染症が発生したらどうなるでしょう。センターでは一カ所一日6000食もの給食を作りますから、一気に津市全域に感染が広がるという、衛生上の問題もあります。

 災害が発生したらどうなるでしょう。
 学校は避難所になっています。各学校に給食設備があれば、すぐに災害支援の炊き出しができます。しかし津市に三つの給食センターしかなかったら、すべての避難所に炊き出しの食事が届けられるでしょうか。地震なら道路は寸断されていると考えなければなりません。とても全域に食事は行き届くものではありません。防災面からもセンター方式には欠陥があるのです。

 こうした理由で、日本共産党津市議団は自校方式の学校給食がベストだと考えているのです。

アレルギー除去食への対応はどうなる

 万一にもセンター方式になった場合、アレルギーを持つ児童・生徒への対応はどうなるのか心配です。

 現在、津市全域では、幼稚園、小学校、中学校、合わせて99人に対して、除去食や代替食で対応しています。自校方式であれば調理員さんが個別の状況を把握してきめ細かく対応することが可能です。しかし、6000食も調理するセンターでそれができるでしょうか。

 アレルギーの状態はそれぞれに違いますから、個別の状況把握が極めて大切です。効率を最重点にして利益を追求する企業に、児童・生徒ひとりひとりに気配りしたアレルギー除去食が可能でしょうか。市職員である調理員さんだからこそ、それができるのではないでしょうか。

 アレルギーを持つ児童・生徒の顔も見たことのない民間企業の従業員と、日頃、学校で子どもたちに接している調理員さんとでは、子どもたちにとっても保護者の方々にとっても安心感が違います。なにしろアレルギーは命に関わる問題なのですから。

 こういう点から見ても、やはり学校給食は自校方式がベストだと考えます。