恵美さんのページ 6      
【秋】 2011/8/24 up     
踊笠かざすも粋や芸者衆  
ややありて差す手の揃ふ盆踊  
髪切つて少女の淡き愁思かな  
人影の絶えて水音風の盆  
芙蓉咲く手入れおこたる庭先に
村の灯の遠くにありて芋水車  
恵美 

恵美  
【秋2】 2011/9/26 up     
地蔵のごと農夫佇ちをり彼岸花 
長き夜や大河ドラマに涙して 
夕霧や模型めきたる造船所   
宣長忌奥つ城までの道険し  
竹伐りの鉈研ぐおとにリズムあり  
花野見に花粉おそるる夫誘ひ 

恵美  
【秋3】 2011/10/27 up     
子の如く福助菊を育てけり  
明日香路に日帰りの旅秋惜しむ 
モナリザの前列続く文化の日 
伊賀焼きの壷に適へる式部の実 
伐リ残す庭の木に来る尉鶲 
立冬の海おだやかに明けにけり  

【冬1】 2011/12/2 up     
恵美  
亡き父母の夢みし朝の時雨虹  
餌を撒ける人を知りをり浮き寝鳥 
夕映に終の輝き枯薄   
冬の菊色のとぼしき庭にかな
極楽もかくや湯婆に足のせて
寒猿の歯をむき婆を脅かす  

恵美  
【冬2】 2011/12/30 up     
鷺一羽群れをはぐれて冬の沼  
このあたり鳥獣保護区冬の鹿  
眠りたる山懐に忠魂碑     
窓越しの日を存分にシクラメン 
気持のみ若くて遅々と年用意  
生きもののなりをひそむる寒夜かな  

恵美  
【春】 2012/1/31 up     
蔵開き火の気なけれどあたたかし  
のびやかに一番鶏や寒明くる  
京舞妓豆を撒くにもはんなりと  
春暁や真珠筏に銀の波  
水揚げの小女子すぐに釜揚げに     
色あふれ新居の窓に桜草  

【春2】 2012/2/29 up     
恵美  
晩年の夢ふくらます木の芽時  
鳥羽伊良湖霞めるさまを峠より  
牧開き四五歩ためらひ出づる牛  
父兄らの目つむり聴ける卒業歌  
春愁の渚に拾ふ虚貝  
春の鳶舞ひ降りつ子のパン攫ふ  

恵美  
【春3】 2012/3/31 up     
海展け万余の花菜黄を尽す  
視力戻すべく仰ぎたる春の星 
雪柳乙女心は揺れやすき   
花冷や見つけて欲しきかくれんぼ  
小流れに枝差し交はし濃山吹 
リハビリの姉呼び止むるちよつとこい

【春〜夏】 2012/4/28 up     
恵美  
幾千の松の剪定姫街道
小鳥屋の鳥もまどろむ春の昼   
控えめに生きたる母や貝母散る  
豆飯や愚直に生きて悔いのなし  
遠目には荒地と見えず百合の花  
老僧の眼すがしく朴散華