SAITO KINEN FESTIVAL
サイトウキネンフェスティバル

2003/9/5日〜6日

2003年8月22日から9月14日まで、例年通り松本市で繰り広げられた祭典、サイトウキネンフェスティバルにて、念願だった小澤の振るオペラを鑑賞することができました。

9月5日、ベルディの「ファルスタッフ」のチケットは、信州大学に在学している方にたのみ、翌日の1000人の合唱コンサートは当日、運良く手には入った。希なる幸運だったと思う。


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「ファルスタッフ」の舞台から。
 

フィナーレには、小澤さんも舞台へ。
 

フランスのメディアからインタビューを受ける小澤征爾氏。情熱家であり頓着しない気さくさが魅力。


松本県民会館からタッタタと出てきた小澤さんは、長時間立ちっぱなしで応えていた。お天気が良くてなにより。
 

ファルスタッフ役のパオロ・ガヴァネッリが、翌日のオフ時、「1000人の合唱」の応援に来ていた。
 

松本の空気をいっぱい吸って、熊ノ湯温泉から会場まで歩いた。夕闇迫る県民会館は多くの観客を静かに迎えてくれた。


オペラ「ファルスタッフ」について

   「愉快な、そして永遠に本物のならず者よ。行け、進むのだ」――
   《ファルスタッフ》総譜の余白に書かれたヴェルディのメモから


《ファルスタッフ》は、ヴェルディ最後のオペラ、いわば「白鳥の歌」である。ワーグナーの《パルジファル》、ロッシーニの《ウィリアム・テル》等々、「白鳥の歌」といえばスゴい作品ぞろいだ。悲劇の英雄や美女の悲恋をあまた描いてきた巨匠もさぞかし・・・・・・。
 ところが齢80のヴェルディが書いたのは、シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』に基づくオペラ・ブッファであった。主人公サー・ジョンは、騎士のくせに追剥ぎまがいの悪行を重ねたならず者。おまけに女好きの太っちょで、同じ文面のラヴレターを二人の既婚女性に送って恥じない、いけずうずうしい年寄り。なぜこんな題材を選んだのか?
 実はヴェルディは、自分のキャリアはブッファで終わらせたいと思っていた。笑いの中に人生の哀歓と真実がにじむイタリア伝統のブッファは、彼の長年の望みであったのだ。
 今回の公演は、1995年の《道楽者のなりゆき》に続き2度目のシカゴ・リリック・オペラとのコラボレーション。舞台はタンボージ(演出)&シュロースマン(美術)のコンビによるもの。簡素ながら大騒動の場面でも節度と品格が漂い、小澤の音楽性とも絶妙にマッチする。ヴェルディがなぜ、ずっとブッファを書きたいと思っていたか、その答えが見つかる舞台となった。
                                                          

指揮
小澤征爾

演奏
サイトウ・キネン・オーケストラ

合唱
東京オペラシンガーズ


 
演出: オリヴィエ・タンボージ
装置・衣裳デザイン: フランク・フィリップ・シュレスマン
照明デザイン: ドゥエイン・シューラー

キャスト
ファルスタッフ: パオロ・ガヴァネッリ
フォード: ロベルト・セルヴィーレ
フェントン: グレゴリー・トゥレイ
フォード夫人(アリス): ダニエラ・デッシ
ナネッタ: マリア・ファウスタ・ガラミーニ
クイックリー夫人: バーナデッテ・マンカ・ディ・ニッサ
ページ夫人(メグ): デボラ・ベロネージ
バードルフ: ジャン=ポール・フーシェクール
ピストル: ジョヴァンニ・フルラネット
カイウス: パオロ・バルバチーニ


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