茶々、初、江の生き方は、まさに人間の生き方の典型的な3パターンとも考えられます。
来館の皆様に、「貴女は、三姫のどの生き方を希望されますか?」と、尋ねることがあります。
長女の「茶々」は、一気に天下人の世継ぎの母として上り詰め、秀吉亡き後の豊臣家、大阪城を守り、徳川幕府に抵抗し秀頼とともに炎の中に身を投じます。本当の心の内は分かりませんが、女の一生としてこれ以上ない華やかなものであったことは誰も否定することは出来ません。
次女の「初」の場合は、どうでしょうか。平穏無事に一生を過ごしたというのは、旦那のこともあり、大津落城のこともあり、いささか気が引けます。でも、姉、妹と比較すると、室町幕府の四職の家柄からの流れをくみ現代まで続く名門京極家の正室であり、長生きもしてやはり穏やかな人生だったように思います。
さて、三女の「江」は、二度の結婚に失敗して(別に、江のせいではないですけど)、バツ2で徳川家へ嫁ぐという波瀾万丈の人生を送ります。おかげで、NHK大河ドラマ50回記念作に、坂本龍馬を押しのけ、堂々登場ということになりました。バツ2の悲しい人生前半に比して、旦那が2代将軍になり姉さん女房でかかあ天下、息子も3代将軍になり、4人の娘はそれぞれ徳川家の名に恥じない名家へ嫁ぎと、順調です。その上、末子の和子は嫌がられながらも天皇家へ入内します。
言い換えますと、
@茶々は、人生を華々しく生き、燃え、爆発するような生き方、
A初は、良くもなく悪くもなくほどほどの(このほどほどは少々立派すぎますが・・・)人生、
B江は、はじめは不幸続きで、後半幸せになる人生(ホントに幸せだったかは??24.江の憂鬱で)
と、いうことになります。
誰もが、「江」の生き方を願うものかと思えば、「茶々」の生き方もいいですねえ・・・といおっしゃる方もおられて、まさに人生いろいろといったところでしょうか。
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