二十六夜の金いろの鎌の形のお月様が 静かにお登りになりました
そこらはぼおっと明るくなり、 下では虫が俄かに しいんしいんと鳴き出しました。
遠くの瀬の音もはっきり聞こえて参りました。 お月様はすぅっと桔梗色の空におのぼりになりました。
それは不思議な黄金の船のように見えました。
・・・「二十六夜」 より
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